ミッドサマー考察・感想 ※ネタバレ有

2020.02.25 // 映画のレビュー

どういう映画か、ふわっとした感想でもどんな要素があるのか分かってしまうので焦って観に行きました。
美しい映像の中不安が襲いかかってくる素晴らしい映画でした。
前評判で「吐きそう」「きつすぎ!」と聞いていたので、観る前は緊張で具合が悪くなりそうでしたが劇場鑑賞できてよかった映画でした。
なので、どのくらい過激な表現が出てくるのか不安なところですがなるべく情報を入れないで観てほしい映画です。
この記事は内容の考察、詳細を含みますので鑑賞後にお読みください。
白夜の村のお祭りに大学生が遊びに行く、こわい?くらいしか知らずに1回観た私のただの推測なので
疑問点・間違っている点がありますが、また調べた後に増強版を書きたいなと思っています。
パンフレットが入手できなかったので記憶が怪しい部分も多いです。

以下、考察と感想です。

・主人公の妹は自動車からの排気を吸った一酸化炭素中毒自殺。口に貼りつけてたのと同じ銀色のテープが扉の外から貼られてたし、メールの内容からするに両親は意図せず巻き添え?
一酸化炭素中毒ってきれいに死ねる、という通説をよく聞くので若い女性らしいセレクト。実際には楽じゃないと思うが。

・冒頭OPで出てくる四季の絵、冬の絵が骸骨から雪が降り注いでいる。死が訪れる季節なのはもちろんだが、女性からへその緒?みたいな管が出てて何人かのヘソ?に繋がっていくのでまた誕生する=命は巡るということかな。
春から冬で、この映画自体の流れを暗示?

・クリスチャン含む大学生4人が「ピザと樹脂やってるよ」→樹脂は大麻樹脂だっけ。キメた状態でピザ食べるとめっちゃ美味しく感じるんだったかな。
元々素行が悪いよ!下品でジェイソンにぶっ殺されてもしょうがないタイプ。

・祭りへの参加を提案したペグは、旅行に行く前からダニーに寄り添いクリスチャンに不信感を抱かせている。村に着いてからもそう。

・村の手前に着いた時、ペグは村人に「さすがペグが選んだ5人だな!」的なことを言われている。
え ら ん だ ?

・村の入り口でドラッグを決めさせるのは世界の区切り。ここで主人公の視界にはマジックマッシュルームによる幻覚が現れる。
この幻覚は伏線。バッドトリップして「みんなが私のこと笑ってる!」と被害妄想を抱くのが生々しい。

・村の入り口、太陽のアーチは来客が神からの贈り物であることを表している。
太陽からの贈り物といえば陽射し。陽射しは降り注ぐだけ。つまり、一方通行。入りはできるけど出られない。
この時点で彼らは帰れないことが決まっている。

・劇中に、何度も太陽と月の絵が出てくる。(建物の中の絵など)
夏至で夜のない白夜の村で、生(太陽)と死(月)を明確に循環させるための大事なお祭りであるのでは。

・村に着いたら檻に入ったクマが。「このクマなに?」「いやクマだけど」みたいな雑な流し方する。誤魔化し方へたくそか。
クリスチャンが尋ねているのがポイント。

・食事はみんなで揃って食べる。食事の作法はその地域の宗教観が出やすい。
共同体としてのまとまりの強さを感じさせるシーン。

・二日目の飛び降りのシーン、ウッワとびっくしるけど下に岩が敷いてあるのは即死して苦しませないためだと思うし残酷ではないのかも。
手を切り、岩に刻まれた村のマークに血を塗りつけるのは命を還すことをお知らせしている感じなのかな。
グロ表現は粗を目立たなくさせるため暗い画面で映すことがほとんど。
あの明るい画面では誤魔化せないので丁寧に作らざるを得ない。
挑戦的な試みだし、「尊厳ある死を見守る」というこの村の宗教観に合っている。
損壊のしかたも上顎欠損の美を感じる。
でも、あとまだ1週間あるのかよ…!という気持ちになった。
帰りたい大学生、退席したい観客、思いは重なる。

・ペグは、村に着いてからもダニーに絵をあげたり寄り添うようにし、クリスチャンに不信感を抱かせている。
飛び降り行事で騒いでいたカップル、主人公&クリスチャンは意図的に相手に不安感を抱くように誘導されている。
1人で疑心暗鬼にさせ、洗脳しやすいようにするカルト的手法。
帰りたいって騒いでたカップルの彼女の姿も見えなくなった後、二人のことを「なんか電話で謝ってもらったみたいよ」と話すシーンがある。
しかし、ここは一日目の夜にクリスチャンが検索エンジンが使えず苛立っているシーンがあるので 圏外 電話は通じないんじゃない?

・カップル二人とマーク・ジョシュ達が消えた後の食事の卓上にあった二つの肉塊は豚ではなくカップルの死体。
(上からのカメラになると、人のような形してない?)

・ジョシュが村のことについて尋ねる。
「近親相姦については大丈夫なんですか」「外部から客を招くようにしてそうならないようにしている」
この発言で、来客の我々はより不安になる。
また、逆に聖書を書く役割を担った聖なる子(知的障害児)は近親相姦によって意図的に生み出されていることも知らされる。
村が出生管理をしてるんだ…

・主人公がクリスチャン達に置いてかれる夢、「彼は守ってくれない」がはっきりしたシーンなんでしょう。
現実じゃないけど、それが夢であることは大事じゃない。
主人公の性格からすると物凄い取り乱しそうだけど、黙って見ているのが印象的。
クリスチャンに対してあきらめが募っていくのがわかる。

・クリスチャンが食べたパイの中には陰毛が入っていたが、グッと飲んだジュースの中にはもちろん経血。他のグラスより赤いように見える。
ペグは妹(マヤ)の恋心に気付いているので、嫌そうなクリスチャンと裏腹に微笑ましそうな顔をしている。

・クリスチャンが呼び出されて部屋に通される前に燃やされるクマの絵が写る。クリスチャンの最期を暗示している。

・ダンスの前に飲む花のお茶は入り口で飲んだマジックマッシュルームと同質のドラッグであるようだ。
草が自分の体を通り抜けている。
楽しそうな感じで飲ませているが、口を開けてちゃんと飲み込んだことを確認しているのが怖い!

・クリスチャンが飲んだ分は強精剤的なものを加えた特別製。飲んだあと瞳孔が開いてるような。
前かがみで股間をおさえている?

・主人公含む女性たちが円になって踊るシーンは子宮内での精子の争い、女王になる→受精卵になるの暗喩。

・ダンスの女王が決まった時、主人公の着けている花達が喘ぐように蠢いている。

・個人的に幻覚の中に死んだ家族が混ざっていくのが怖い。
ダンスの女王になってお祝いしてくれる村人の中にお母さんがいたのが怖すぎる。
家族が見えるたび死が近づいている。

・ダンスの後のシーンで、村にある花まみれの十字架をそれぞれ主人公とクリスチャンが背負う(後ろに重なる)カットが入る。
2人を待ち受ける試練の暗喩。

・魚(ニシン・豊穣のシンボル)って頭から食べるのが普通な気がするけど、それをしっぽから(逆から)食べるのは死の表現?ちょっと自信ないな…
村がどう見ても山の中なので魚は祭りのために用意した貴重品なんだろうか。

・ダンスの女王が乗り物に誘導される前に、主人公は「クリスチャンも一緒に」と言ったけどだめー!と村人に言われる。
2人の繋がりがここで完全に断ち切られる。

・クリスチャンがマヤと性行為する前に着ている服に、村のマークと内向き外向きの矢印の刺繍がある。
出入りする魂と性行為を表している?

・当たり前過ぎて忘れているけど、そもそも花は性行為のシンボルである。

・クリスチャンがマヤと性行為していた場所は今までの大事な聖書がたくさん入っている場所。
聖書はDNA。性行為してる周りで踊っている女達は精子? クリスチャンとマヤが受精卵。小屋は子宮。
他の女性たちがダンスの女王(受精卵)を決めるため踊る(これも精子の争い?)の次に行っているため対になる行事なんだと思う。
なので生まれる子はマヤの子、というより村の子としての意味合いが強いに違いない。
寝泊まりする「若者の家」に着いた時、「子どもはみんなで育てるの」とセリフがあったが伏線か。
このシーンは性的なのに、とてもちんちんしょぼしょぼタイム。
「いけいけ!」って尻を押さないでくれ。
マヤの「赤ちゃん感じる〜!」的なセリフも含め、エロマンガ的孕ませプレイだけど嫌すぎる。

・罪を犯したジョシュ(大事な聖書の無断撮影)とマーク(先祖を穢した)二人は死体を花で浄められている。
きちゃないマークは念入りに花まみれ。

・女王になった主人公が捧げ物の人間を選ぶシーン、くじ引きで出てきた女性がニコニコしてて選ばれたそうな素敵な表情。
怯えてるクリスチャンと対照的。信仰心感じる〜!

・90年に一度、9日間、9人の命を捧げる。
9は北欧、スウェーデンにおいてどんな意味なんだろう。

・青い画面、人生の冬 家族を亡くした死の季節からまばゆい夏へ。彼女は人生の盛りを迎えたのだ。それと同時に生まれ変わったのだとも思う。
一緒に悲しみ一緒に喜んでくれる人達ばかりのこの村は彼女にとって暮らしやすいに違いない。

・追い詰められた主人公の幻覚と現実が交差していき、誕生と死が同時に訪れるのはブラックスワンに近い構成。鬱くしい。

・不安を煽り神経を掻き毟る音楽、左右対称にこだわった隙のない画面構成はシャイニングを思い出させる美しさ。

1回観ただけでもこんなに伏線や暗喩が散りばめられてるのが分かる。でも、私が気づけてないこともたくさんあるんでしょうね。
自分が分かったことだけをまとめれたので、今から他の方の考察を漁るのが楽しみです。
くまとか、何を象徴するモチーフかわからないものも多かったのでそれも調べたいですね。

とりとめのなく列挙しただけですが、読んで頂きありがとうございました。


甚だ夜に近影

“可愛いからホラーまで”

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