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甚だ夜に 2020.04.03

孤独の対義語についての個人的考察

まず、意味が反対・対照的になっているものが「対義語」ですよね。
しかしこれは単語によっては一筋縄ではいかず、例として
赤の反対はイメージ的には青ですよね。
情熱と冷静みたいな。
しかし、色相環で考えれば赤の反対色・補色は緑です。
これは赤を温度というイメージで捉えるか、たくさんある色の中の1つとして捉えるかの違いです。
どちらも間違いではないはずです。

それと同じで、「孤独」にも物理的な側面と精神的な側面があります。
「孤独」=単身・一人と考える場合もあれば、
「孤独」=寂しさを感じているという場合もあります。
前者は物理的な見方で、後者は精神的なニュアンスが強い見方です。
本人が寂しさを感じているかどうかに関わらず、単身で迎える死は「孤独死」と表現されます。これは物理的な側面が強い使用例です。
それに反し、家族が居ようと恋人が居ようと寂しさを感じればそれは「孤独」とも言えます。
どちらの使い方も誤りではありません。

私はどちらの側面か定義し切らないまま、孤独の対義語という疑問を流してしまいました。
それが意見が割れた原因です。

精神的な側面で考えた方からは
満足、融合、愛、充足、孤高
という回答が得られました。
物理的な側面で考えた方からは
連帯、増殖、集合、群集、密集、過密、群
という回答を頂きました。
物理的な見方では「数」がポイントになり、増える意味が強い単語が並んでいます。

少しリプ欄で話し合ったのですが、
これらを踏まえた上での「孤独な群衆」は
孤独と群衆を物理的に対義させながら、孤独の持つ精神的な意味合いを強調しています。
よくできた言葉ですね。

私の対義語に対する定義が甘かったため、どれも間違いではありません。
複数の方が考えてくださったおかげで、言葉のデリケートさ・意味合いの広さを再確認した次第です。

リプライをくださった
あきさん、店主ちゃん、ネロ造さん、ねこまた家さん、kawahiroさん、ゼンタイ民さん、ジゼルさん、桜ちゃん、スノスさん
誠にありがとうございました!

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甚だ夜に 2020.02.25

ミッドサマー考察・感想 ※ネタバレ有

どういう映画か、ふわっとした感想でもどんな要素があるのか分かってしまうので焦って観に行きました。
美しい映像の中不安が襲いかかってくる素晴らしい映画でした。
前評判で「吐きそう」「きつすぎ!」と聞いていたので、観る前は緊張で具合が悪くなりそうでしたが劇場鑑賞できてよかった映画でした。
なので、どのくらい過激な表現が出てくるのか不安なところですがなるべく情報を入れないで観てほしい映画です。
この記事は内容の考察、詳細を含みますので鑑賞後にお読みください。
白夜の村のお祭りに大学生が遊びに行く、こわい?くらいしか知らずに1回観た私のただの推測なので
疑問点・間違っている点がありますが、また調べた後に増強版を書きたいなと思っています。
パンフレットが入手できなかったので記憶が怪しい部分も多いです。

以下、考察と感想です。

・主人公の妹は自動車からの排気を吸った一酸化炭素中毒自殺。口に貼りつけてたのと同じ銀色のテープが扉の外から貼られてたし、メールの内容からするに両親は意図せず巻き添え?
一酸化炭素中毒ってきれいに死ねる、という通説をよく聞くので若い女性らしいセレクト。実際には楽じゃないと思うが。

・冒頭OPで出てくる四季の絵、冬の絵が骸骨から雪が降り注いでいる。死が訪れる季節なのはもちろんだが、女性からへその緒?みたいな管が出てて何人かのヘソ?に繋がっていくのでまた誕生する=命は巡るということかな。
春から冬で、この映画自体の流れを暗示?

・クリスチャン含む大学生4人が「ピザと樹脂やってるよ」→樹脂は大麻樹脂だっけ。キメた状態でピザ食べるとめっちゃ美味しく感じるんだったかな。
元々素行が悪いよ!下品でジェイソンにぶっ殺されてもしょうがないタイプ。

・祭りへの参加を提案したペグは、旅行に行く前からダニーに寄り添いクリスチャンに不信感を抱かせている。村に着いてからもそう。

・村の手前に着いた時、ペグは村人に「さすがペグが選んだ5人だな!」的なことを言われている。
え ら ん だ ?

・村の入り口でドラッグを決めさせるのは世界の区切り。ここで主人公の視界にはマジックマッシュルームによる幻覚が現れる。
この幻覚は伏線。バッドトリップして「みんなが私のこと笑ってる!」と被害妄想を抱くのが生々しい。

・村の入り口、太陽のアーチは来客が神からの贈り物であることを表している。
太陽からの贈り物といえば陽射し。陽射しは降り注ぐだけ。つまり、一方通行。入りはできるけど出られない。
この時点で彼らは帰れないことが決まっている。

・劇中に、何度も太陽と月の絵が出てくる。(建物の中の絵など)
夏至で夜のない白夜の村で、生(太陽)と死(月)を明確に循環させるための大事なお祭りであるのでは。

・村に着いたら檻に入ったクマが。「このクマなに?」「いやクマだけど」みたいな雑な流し方する。誤魔化し方へたくそか。
クリスチャンが尋ねているのがポイント。

・食事はみんなで揃って食べる。食事の作法はその地域の宗教観が出やすい。
共同体としてのまとまりの強さを感じさせるシーン。

・二日目の飛び降りのシーン、ウッワとびっくしるけど下に岩が敷いてあるのは即死して苦しませないためだと思うし残酷ではないのかも。
手を切り、岩に刻まれた村のマークに血を塗りつけるのは命を還すことをお知らせしている感じなのかな。
グロ表現は粗を目立たなくさせるため暗い画面で映すことがほとんど。
あの明るい画面では誤魔化せないので丁寧に作らざるを得ない。
挑戦的な試みだし、「尊厳ある死を見守る」というこの村の宗教観に合っている。
損壊のしかたも上顎欠損の美を感じる。
でも、あとまだ1週間あるのかよ…!という気持ちになった。
帰りたい大学生、退席したい観客、思いは重なる。

・ペグは、村に着いてからもダニーに絵をあげたり寄り添うようにし、クリスチャンに不信感を抱かせている。
飛び降り行事で騒いでいたカップル、主人公&クリスチャンは意図的に相手に不安感を抱くように誘導されている。
1人で疑心暗鬼にさせ、洗脳しやすいようにするカルト的手法。
帰りたいって騒いでたカップルの彼女の姿も見えなくなった後、二人のことを「なんか電話で謝ってもらったみたいよ」と話すシーンがある。
しかし、ここは一日目の夜にクリスチャンが検索エンジンが使えず苛立っているシーンがあるので 圏外 電話は通じないんじゃない?

・カップル二人とマーク・ジョシュ達が消えた後の食事の卓上にあった二つの肉塊は豚ではなくカップルの死体。
(上からのカメラになると、人のような形してない?)

・ジョシュが村のことについて尋ねる。
「近親相姦については大丈夫なんですか」「外部から客を招くようにしてそうならないようにしている」
この発言で、来客の我々はより不安になる。
また、逆に聖書を書く役割を担った聖なる子(知的障害児)は近親相姦によって意図的に生み出されていることも知らされる。
村が出生管理をしてるんだ…

・主人公がクリスチャン達に置いてかれる夢、「彼は守ってくれない」がはっきりしたシーンなんでしょう。
現実じゃないけど、それが夢であることは大事じゃない。
主人公の性格からすると物凄い取り乱しそうだけど、黙って見ているのが印象的。
クリスチャンに対してあきらめが募っていくのがわかる。

・クリスチャンが食べたパイの中には陰毛が入っていたが、グッと飲んだジュースの中にはもちろん経血。他のグラスより赤いように見える。
ペグは妹(マヤ)の恋心に気付いているので、嫌そうなクリスチャンと裏腹に微笑ましそうな顔をしている。

・クリスチャンが呼び出されて部屋に通される前に燃やされるクマの絵が写る。クリスチャンの最期を暗示している。

・ダンスの前に飲む花のお茶は入り口で飲んだマジックマッシュルームと同質のドラッグであるようだ。
草が自分の体を通り抜けている。
楽しそうな感じで飲ませているが、口を開けてちゃんと飲み込んだことを確認しているのが怖い!

・クリスチャンが飲んだ分は強精剤的なものを加えた特別製。飲んだあと瞳孔が開いてるような。
前かがみで股間をおさえている?

・主人公含む女性たちが円になって踊るシーンは子宮内での精子の争い、女王になる→受精卵になるの暗喩。

・ダンスの女王が決まった時、主人公の着けている花達が喘ぐように蠢いている。

・個人的に幻覚の中に死んだ家族が混ざっていくのが怖い。
ダンスの女王になってお祝いしてくれる村人の中にお母さんがいたのが怖すぎる。
家族が見えるたび死が近づいている。

・ダンスの後のシーンで、村にある花まみれの十字架をそれぞれ主人公とクリスチャンが背負う(後ろに重なる)カットが入る。
2人を待ち受ける試練の暗喩。

・魚(ニシン・豊穣のシンボル)って頭から食べるのが普通な気がするけど、それをしっぽから(逆から)食べるのは死の表現?ちょっと自信ないな…
村がどう見ても山の中なので魚は祭りのために用意した貴重品なんだろうか。

・ダンスの女王が乗り物に誘導される前に、主人公は「クリスチャンも一緒に」と言ったけどだめー!と村人に言われる。
2人の繋がりがここで完全に断ち切られる。

・クリスチャンがマヤと性行為する前に着ている服に、村のマークと内向き外向きの矢印の刺繍がある。
出入りする魂と性行為を表している?

・当たり前過ぎて忘れているけど、そもそも花は性行為のシンボルである。

・クリスチャンがマヤと性行為していた場所は今までの大事な聖書がたくさん入っている場所。
聖書はDNA。性行為してる周りで踊っている女達は精子? クリスチャンとマヤが受精卵。小屋は子宮。
他の女性たちがダンスの女王(受精卵)を決めるため踊る(これも精子の争い?)の次に行っているため対になる行事なんだと思う。
なので生まれる子はマヤの子、というより村の子としての意味合いが強いに違いない。
寝泊まりする「若者の家」に着いた時、「子どもはみんなで育てるの」とセリフがあったが伏線か。
このシーンは性的なのに、とてもちんちんしょぼしょぼタイム。
「いけいけ!」って尻を押さないでくれ。
マヤの「赤ちゃん感じる〜!」的なセリフも含め、エロマンガ的孕ませプレイだけど嫌すぎる。

・罪を犯したジョシュ(大事な聖書の無断撮影)とマーク(先祖を穢した)二人は死体を花で浄められている。
きちゃないマークは念入りに花まみれ。

・女王になった主人公が捧げ物の人間を選ぶシーン、くじ引きで出てきた女性がニコニコしてて選ばれたそうな素敵な表情。
怯えてるクリスチャンと対照的。信仰心感じる〜!

・90年に一度、9日間、9人の命を捧げる。
9は北欧、スウェーデンにおいてどんな意味なんだろう。

・青い画面、人生の冬 家族を亡くした死の季節からまばゆい夏へ。彼女は人生の盛りを迎えたのだ。それと同時に生まれ変わったのだとも思う。
一緒に悲しみ一緒に喜んでくれる人達ばかりのこの村は彼女にとって暮らしやすいに違いない。

・追い詰められた主人公の幻覚と現実が交差していき、誕生と死が同時に訪れるのはブラックスワンに近い構成。鬱くしい。

・不安を煽り神経を掻き毟る音楽、左右対称にこだわった隙のない画面構成はシャイニングを思い出させる美しさ。

1回観ただけでもこんなに伏線や暗喩が散りばめられてるのが分かる。でも、私が気づけてないこともたくさんあるんでしょうね。
自分が分かったことだけをまとめれたので、今から他の方の考察を漁るのが楽しみです。
くまとか、何を象徴するモチーフかわからないものも多かったのでそれも調べたいですね。

とりとめのなく列挙しただけですが、読んで頂きありがとうございました。

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甚だ夜に 2019.02.28

ジョージ・オーウェル 動物農場 レビュー

「一九八四年」と並ぶ名作。
農場主を追い出した動物達は、賢いブタを筆頭に動物のための農場の運営につとめる。
平等、人間よりも素晴らしい仕組みを求めるが主導権を得たブタが暴走していき…

動物達が会話し、寓話的な書かれ方をしているが内容はかなり過激だ。
最初こそ素晴らしい世界に見えた。
主導権を握った者がどのように事実を改竄し自分に都合の良いルールを定めていくかが段階を追って描かれており、かなりリアルである。
記録を改竄することにより、事実さえも歪め、改竄したことさえなかったことになる。
このように一九八四年に通じる部分が多く、だがこちらは権力が腐敗していく過程がメイン。
あちらは支配下に置かれた者が管理され、もがこうとするも逃れられない世界がメイン。

常に正しい指導者ナポレオン、狡猾なスパイ スノーボール、弁の立つスクウィーラー…。
ブタであるのが露骨な皮肉である。

動物さんたちのおかげか、とても読みやすい。
一九八四年よりこちらを先に読んでおくと入りやすいかも。どっちも面白い。

後ろに掲載されている、出版するにあたってのいざこざがまさに、という感じで苦笑してしまう。

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甚だ夜に 2019.02.21

居場所

がんばってがんばって上り詰めた先にはすでに誰かが座っていて、それは決定事項だ。自分が座ることはできないのだ。
それでも、着ぶくれた装備を纏って他の上を目指す。キリがないのはわかっている。
歪に膨れた自分を、いつか誰か特別な椅子に座らせてくれるんじゃないか。
そんな期待で前へ進む。
いつしか、私は歪に膨れた中から用途に応じた道具を取り出し、椅子を自分で作るようになった。

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甚だ夜に 2019.02.14

好きになった子がいた。

好きになった子がいた。
会社の後輩だった。
小柄でニコニコしていて、僕によく懐いてくれた。
漫画が好きで、少し偏った趣味で興味が湧いた。
仕事を後回しにするほど、雑談をした。

自然に、彼女とデートするようになった。
好き嫌いが激しいようだが、好物はとても美味しそうに食べる。
ニコニコ幸せそうに食べる顔を見ると僕も幸せな気持ちになった。

結婚を前提に、同棲を始めた。
彼女は料理が上手だった。
とても幸せだったが、変化が現れた。
彼女は嫉妬深く、事務の女性と雑談しただけですごく怒っていた。
果てには会社の飲み会に行くことにさえ不快な態度を示し始めた。
異常だ。束縛が過ぎる。
僕は、華奢な彼女の中に狂気を感じるようになった。

そうしたことで度々ケンカするようになった。
二人とも、些細なことにイライラしていた。
ケンカを重ねるたび、愛を通り越した憎しみを感じる瞬間が増えていった。

その日も口ゲンカから始まった。
彼女は妙に弁が立つ。気違いのくせに。
僕は口では勝てない。
生意気な彼女の首に、両手をかけた。

白い喉元を僕の手が絞める。
彼女は僕の手を振り解こうとしない。
どうして抵抗しないんだ。
柔らかい肌に親指が深く、深く食い込んでいく。
顔が真っ赤になり、涙がポロポロ溢れている。
がはっ、ごぽっ、と普段の彼女からは想像もつかない醜い音が口から出ている。
ただ、充血した目は真っ直ぐ僕の顔を見ている。
怖い。
より力を込めた。
震えているのは僕の手か、それとも彼女の体なのか。
ハッとして手を放した。
どのくらいの時間首を絞めていたのだろう。
彼女は力なくうつ伏せに崩れていった。
僕はへたりこみ、彼女を見つめた。
床には失禁の水溜りが出来ていた。
ピクリとも動かない。
もう怖くない。
でも茫然として、僕は彼女だったそれを眺め続けた…

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甚だ夜に 2019.02.01

完全自殺マニュアル新旧比較

一斉を風靡したご本、完全自殺マニュアル。
14版と110刷の比較をした。
といってもざっと見たところ、変更点は奥付と帯の部分だけだった。

表紙はかっちりしたシュリンク包装になり、帯が二重になった。
社会に衝撃を与えただけあって、贅沢な仕様である。

白い帯をめくると、全く同じ帯。

奥付は版数と発行所の住所と作者略歴が変更。

薬の成分の配合量、致死量など数字の変更があるかも、と思ったけどそんなことはなかった。

しかし、このロングセラーぶりはすごい。
どちらもビブリオマニアさんで購入した物だが、未だに新しく刷っているとは…
(新本を入手したのは2018年)
今も自殺者にとってバイブルのような感じで、
この本の内容を参考に自殺をする人もいるらしい。
世の中に変化はありつつも、この本の訴えたいことは不変だからだろうか。

古い方は、見返しに「¥100」と鉛筆で書き込まれている。
私の世代ではわからないが、流行った頃にはBOOKOFFでは100円で投げ売りされていたらしい。
処分された数も相当なのか、今はなかなか手に入れにくい本になった。

今やネットで死に方は簡単に探せるが、本という形であると安心感があるのかもしれない。

※追記 2019年2月2日
やすはら様から、版と刷では意味が違い、14版は14刷の誤植ではないかというご指摘を頂きました。
(内容に変化のない追加生産分が刷になる)
新しい110刷の方に14版の改定表記がない所をみると、そうかもしれません。
版と刷の違いについて調べてみましたが、基本的には上記のようなルールだそうです。
ただ、曖昧に使われていることも多いようで…

他の年の本も入手して調べてみたいところですね。
こういったことはとても勉強になります、やすはら様ありがとうございます。

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甚だ夜に 2019.01.25

死にまつわる書籍3冊まとめレビュー

ビブリオマニアで入手した死にまつわるご本。

完全自殺マニュアルと自殺のコストは自死に対して淡々と豊富なデータ、解説を載せている。
どちらも淡白な図と表が記載されており、死体写真などもないので安心して読める。
完全自殺マニュアルについては有害図書として指定されたりと有名な本だが、今の時代古本ではなかなか入手ができなかった。
(まだ開封していないが、シュリンク包装済みの新本が入手できたのでまた今度改定されている部分があるかどうか検証する。)
いまだにこれをバイブルとして自殺する人もいるようで、樹海の死体マニアにとっては、穴場を探すバイブルとしても役立てているとのこと。
(なんとも皮肉な…)

自殺のコストは完全自殺マニュアルほど有名ではないが、こちらも名著である。
自死についての難しさを思い知らされる。

特殊清掃は、主に変死した現場の清掃をしながら特掃隊長が人の最期について考えを巡らす内容。
実は「特殊清掃 戦う男たち」でブログをやってらっしゃるので本を買わずとも全文読める。
著者いわくギャラはなし、でもプライドが少しはあるから売れて欲しい…とぼやいておられた。
死んだあと、人間がどうなるかが克明に書いてあり今後を考えるとかなり勉強になる。
お葬式も、腐敗の過程も、である。
特殊な趣味などなくても、色んな方に読んでもらいたい一冊。
良書だが、知名度がなく知っている人が少ない。すごくもったいない。
ブログも2019年現在もゆっくり更新されておられるので、気なる方はぜひ読んで欲しい。

三冊とも、死を語ることで生きることに目を向けさせてくれる良本。

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甚だ夜に 2019.01.18

女の子と怪物

死にたがってふらふらと縄を持って森に入る女の子、そこで出逢う醜い怪物。
恐怖を感じて逃げ出す女の子。追いかける怪物。躓いて頭を打ち動かない女の子。怪物の手には花。
実は、たくさんの人の自殺を見てきた怪物は、女の子に生きて欲しくて花を渡そうとしたのでした。
おしまい。

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甚だ夜に 2019.01.04

閉塞

雨の中歩く私
ぎゅうぎゅうの電車内 座る私 狭い…
学校はじまる キンコンカンコン
授業が始まる 私だけわからない みんな怪物みたい
学校終わる キンコンカンコン 
今日もやっと終わった
ため息をつきながら駅まで歩く
その途中、映画のポスターを見つける
ギレルモ映画
ふらりと映画館にはいる
美しい怪物映画だ
夢中になり鑑賞する 瞳にはヒロインが映る
すごい
映画の怪物だけが、人間に見えた。

電車内でうなだれる私
さっきの 映画すごかったな
美しさ、グロテスク、暗喩
一生かかっても、わたしにはあんなすごい物は作れないしたどり着けないだろう
電車を降り雨の帰り道
なんでかな
死にたい…

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甚だ夜に 2019.01.01

映画『グレイテスト・ショーマン』(2017)レビュー

貧しい家庭で育った主人公バーナムが、アイデアで活躍していく半生を描くミュージカル映画。

明るくフリークスが登場してきます。
とはいえ、本物は小人、大きな身長の男性、黒人だけっぽいです。
(単純にダンスシーンが多いから、かも知れませんが実際の方を使いにくくなったのでしょうか…)
フリークス、と表現されていますが「社会からはみ出した者達」という側面が強く、観ている側は共感します。

5分に1回ほど曲が入り、どの曲も素晴らしいです。
冒頭のサーカスのシーンでグッとこの世界の中に引き込まれていきます。
美しい色彩に、計算されたライティング、華やかなダンス。
バーナムの口のうまさ、手腕、思いきりの良さは観ていてとても気持ちがよくなります。
問題が起きながらも、クライマックスには主人公を応援せずにはいられない。走る映画はいい映画。
伏線もなかなか丁寧に盛り込まれています。

「フリークス」というデリケートなテーマを、嫌味も媚びもなく上手に取り入れています。
夢に向かって突き進む、世界が回り始める喜びを見せてくれる名作でした。